道路株 貯まったキャッシュは 狙われる

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その他

こんにちは。さくたろう です。
6月末は、株式投資家にとっては、3月決算の株の配当を受け取る季節です。
僕みたいに少ない金額を受け取る一投資家にとっても楽しみな時期なので、金額の大きい投資家にとっては真剣度合いは段違いではないでしょうか。
新しい四季報で建設株や道路株を興味深く見ていますが、今日は道路株について一度まとめておきたいと思いました。

おそらくは成長産業ではない

まず道路株の位置づけだが、おそらくは成長産業ではないはずだ。
少なくとも売上が毎年ガンガン上がり続けるような業界ではないだろう。
道路は今までのように日本でどんどん延びていくような時代ではないし、今までに作ってこられた道路だって、廃止されていく流れに入ってくることも考えられる。
補強やメンテナンス等もあるし、今でも新しい道路は作られているが、環境的にもあまり良いイメージではないかもしれないし、成長産業ではない。
しかしこの後解説したいが、売上や利益が思い切り下がっているかというと、そんな事はない。
やはり日本が経済発展を考える上で、道路という社会的ニーズは存在しているし、舗装する上での技術向上も進んで利益も産み出しているのだろう。

内需株に位置づけされる

株を見る上で、<内需株か・外需株か>という見方がある。
内需株とは日本の中で発生するニーズが占める割合が多い業界であり、外需株とは海外に輸出し、海外で発生するニーズに照準を合わせている業界だ。

建設業界と関わりの大きい道路株は、モロに内需株に属する。
もちろん海外での日本の道路の評判も良い。海外でも活躍している。
しかしやはり大きな活躍の場は日本だ。

内需株は、一般的にだが、その時の景気に左右されづらいとされる。
道路は一般的な人が買ったり買わなかったりするものではないので、景気よりも政治の影響の方が大きいはずだ。
道路株を買う上で、世界景気が与える影響は、外需株に比べて低いと考える事ができる。

上場道路株の整理

上場している道路株のメインなところを、特色と合わせて羅列してみたい。
自分で記載してて思うのだが、このように整理しておくと、あとで自分で見返す際にも便利な事がわかった。笑
コード順に羅列してみる。

・1776 三井住建道路(筆頭株主は53.6%の三井住建、有利子負債ゼロ)
・1807 佐藤渡辺(東亜道路と関係有り、売上400億弱、中堅、財務良好)  
・1881 NIPPO (最大手、売上4500億。エネオス56.8%筆頭。キャッシュ1500億)
・1882 東亜道路(独立系。佐藤渡辺に7%出資。連続増配)
・1883 前田道路(前田建設の子会社。色々あって前田建設と経営統合する)
・1884 日本道路(清水建設系。22.3%筆頭株主。売上1500億。)
・1898 世紀東急工業(東急系。ファンドにも狙われている、売上900億)

こんなところだ。
特色として言える事は、この業界は建設業界の大株主がいる事だ。独立系は珍しい。
そして、題名にも記載している通り、どの会社もかなり財務が良好だ。
キャッシュがたまっている。
キャッシュが借金より多い。借金よりもケタが違うほどキャッシュがある。

狙うファンド

単純に考えていくが、どんどんキャッシュがたまり、財務も良くなっていっている事は、その業界がこれから長期的にどうなっていくとしても、短期的な目線で考えていこうとするファンドにとっては、魅力的に映るようだ。
事実、建設業会を始め、道路業界にも、様々なファンドが株を買ってきている。
そして当然のように、キャッシュをためないで配当や自社株買いに回すように要求をしてきている。
圧倒的な筆頭株主が存在している業界にもかかわらず、買い進めているファンドがあるという事は、全ての要求が通らなかったとしても、ある程度満足できるほどの配当や株価を実現できる可能性をかなりの確率でもって感じているのだろう。
「僕たちがいたらこんなにうるさいですよ?だったらもう、筆頭株主が高値でみんなの株を買ってしまって、上場しないようにしたらどうですか?」
というのがファンドの本音なのかもしれない。
いずれにしても、それだけのキャッシュがたまっている業界である事は、間違いがない。

ため込んだら狙われるのは自然なこと

そんなキャッシュを狙うファンドが悪なのだろうか。おそらく違うのだろう。
ファンドが買い向かい、キャッシュを配当に要求することそれ自体は、何も法律に違反することではない。
正当な方法だ。しかしおそらくファンドは、長期的にその会社を良いものにする事は一切興味がないはずだ。
ファンドが考えているのは、今よりも価値を高める事であって、その会社を長期的に存続を目指すことではないからだ。
もし、株式会社がファンドに狙われたくないのであれば、多くのキャッシュをため込まない事が正解なのだろう。
キャッシュができたのならば、なるべくそれを早い段階で設備投資に思い切り注ぎ込んだり、違う業種に積極的に手を出すためにキャッシュを使うなどする方が、会社も長期的に存続する事ができる可能性が高いはずだ。

ファンドはいつも、成長しない会社を狙ってきている気がする。
いや、成長しない会社というより、新しいことにカネを使えない会社というべきか。
会社は「どうしようかなー、このままで良いかぁ」といったことを繰り返していたら、長期的な存続すら危ぶまれる事態に発展する可能性がある
ということだ。


道路株、配当や自社株買いだけが答えなのか?
空飛ぶクルマが出てきても、そこに道路に代わる何かを道路株が創るくらいの勢いを見て感動したいものだ。
頑張れ日本の道路株!!!

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