こんにちは、さくたろうです。
きましたね。日鉄物産、TOB!
今年はこの会社のTOB可能性を何度か触れていたので、ブログを見てくれている皆さんのお役に立てたかもしれないと、ひとり満足しています!
投資を続けて20年以上。当たる時も当たらない時もありますが、自分で買ったり、家族に勧めることができるような銘柄でないと、記載したりしないので、これからも自分の考えをもとに、つれづれなるままに、発信していきたいと思います!
さて、日鉄物産のTOB。
もともとなぜこの業界(鉄鋼商社)のTOBを予想していたか、からです。
まずはさくたろうが投資を始めて間もない頃、川鉄(今はJFE)の子会社に当たる鉄鋼商社、川鉄商事という会社がありました。
川鉄商事は親会社の関係で、名前をJFE商事と改め、そして間もなくJFEに吸収されました。
この時ももちろん、JFE商事の株を持っていたら大きな利益となっていました(さくたろうはもちろん持っていませんでした)。
これが、子会社の鉄鋼商社が親会社に吸収されるところを見た、さくたろうとしての最初の体験でした。
なんでこんなことをJFEはしたの?と思い、その理由を見たところ、確か「子会社であるJFE商事との意思疎通を向上して利益上昇を図る」といった内容を確認したと記憶しています。
それから10年以上経過する間、他の2社の鉄鋼商社(日鉄物産・神鋼商事)は、親会社からのTOBを受けることなく上場を続けていました。
正直、その間にTOBがあっても全くおかしくなかったとも思います。
ではなぜ今年に、日本製鉄は日鉄物産の買収(TOB)に踏み切ったのかということを想像・妄想・憶測として考えます。
親会社の爆発的利益
今回の日鉄物産からリリースされた資料によると、実際に日本製鉄からTOBの打診があったのは、今年の4月のことだということです。
打診を受けてから約8ヶ月後のTOBとなったわけですが、4月に日本製鉄が買収を決めた理由を想像してみます。
さくたろうが想像する、日本製鉄が4月に買収を決めたと考えた理由は2つあります。
一つ目:3月末に、1年間の日本製鉄の大枠の利益(6300億円)が決まったこと
やはりこの利益あってのTOB決断というところは、あったのではないでしょうか。
この利益は強烈です。もちろん、日本製鉄として過去最高益でした。
今回の日鉄物産にかかる日本製鐵の出費ですが1000億をゆうに超えています。
時価総額1000億、売上も2兆円に迫る規模の子会社を買収するためには、お金のめどは避けて通れません。
無理して借金に大きく頼り買収する例や、買収した後の会社を担保とした強引な借入れなどの例もありますが、やはり本業で出た利益が莫大であると、TOBしたいバイアスはかかるのだと思います。
例えば日本郵船や商船三井なども、先に同じことをしていました。商船三井は7000億という、日本製鉄を上回る利益を叩き出し、その後にダイビルを含む子会社2社の買収を決断しました。
これと同じことはどの業界でも起こり得るということだと思われます。やはりその利益の投資先として、本業への投資の他に、割安になっている子会社への投資(買収)は検討に値するということだと思います。
今回のTOBによって、シナジーやコスト削減効果を除き、ものすごく低く見積もっても、継続的に200億円の利益はコンスタントに見込むことができます(日鉄物産の純利益300億、うち約70%が他株主の利益になっていたものが、TOBによって今後日本製鉄の利益となる)。
5年〜8年くらいでは元が取れる投資とも取れるので、シナジーなども見込まれるようであれば、さらにリーズナブルな投資ということとなります。
莫大な利益の投資先を探した、というのが一つ目の理由です。
二つ目:苛烈な値上げ交渉・生き残りを賭けた覚悟
この頃に、まさにニュースになっていたのは、トヨタとの値上げ交渉です。
一歩間違えば超巨大な顧客を失い兼ねないタフな交渉なはずです。JFE商事の際の理由ではありませんが、親と子で意思疎通が取れていないなどの失態は許されません。
苛烈な値上げ競争を覚悟した際、流通部門である日鉄物産の買収を決めたということはあるのではないでしょうか。
あくまで6300億の利益あってのTOBですが、決断に必要な最後の決め手は、やはり恋でも仕事でも、こういった「覚悟」です。
日本製鉄には、さくたろうから見た時に、並々ならぬ覚悟を感じていました。
これが二つ目の理由に思います。
他の子会社のTOBはあるのか
結論から言うと、他の子会社のTOB可能性もあります、と言うのがさくたろうの回答です。
なぜなら、不退転の覚悟を持ち続けていて、かつ今期については前期を超える利益を日本製鉄自らが予定しているからです。
じゃあどれだよさくたろう、と思われるかもしれませんが、これがとても難しい。
難しい中ですが、最終的にはさくたろうの結論はあります。
なぜ難しいかというと、川下の流通を担う子会社は、日本製鉄の子会社では日鉄物産しか存在しなかったのに対して、
製造を担う川上にあたる子会社は、とんでもなく多いからです。なので日鉄物産は前々から候補として伝えやすかったんです。
これとは別にソリューション部門として、日鉄ソリューション(NISSOL)と言う会社が独自にありますが、今回は割愛します。
予想を外すことも覚悟で挙げますと
・5352 黒崎播磨
思い切り言い切れずにすみませんが・・・
ではなぜさくたろうがここか、というと、
・実質子会社だと日本製鉄が謳っている
・日本製鉄の製造のための鉄製品を作っている
・海外進出の際に連携が求められる
といったことを想像するからです。
まず一つ目からですが、決算報告書の中で、日本製鉄は平然と「黒崎播磨は実質子会社だ」と言っています。
実質は50%以上支配していると言うことです。
株主構成としての日本製鉄の保有比率は42.88%となっています。
しかし黒崎播磨が自己として持つ株を控除したり、また日本製鉄の子会社が持つ黒崎播磨の株などを日本製鉄が所有しているものと計算すると、おそらく実質は日本製鉄が50%以上を持っているんだぞ、と言うことだと思います。
50%を超えて日本製鉄が支配している子会社というと、一挙に数は減ります。そのうちの一つが黒崎播磨。
もちろん、日本製鉄にとって、とても大切だから実質支配している、ということだと思います。
完全子会社化を目指すTOBであれば、金銭面でTOBがやりやすいこの事実だけで確率は上がります。
2つ目は、黒崎播磨が製造している製品からくる考えです。(ここで挙げる製品以外ももちろん作ってますが)
鉄製品を作る時の、熱いドロドロした鉄を入れる(型どる)器(の鉄)を作っている会社です。
これはミル(製鉄所)に絶対的に必要なもので、しかも消耗品です。
多分入れるものがあっついから、それを受ける鉄といっても、消耗しやすいのではと思います。
これを必要としているのは製鉄所なんですから、黒崎播磨をTOBしてしまえば、黒崎播磨の利益を取り込めるし、日本製鉄が黒崎播磨に払ったお金が配当として他の株主に行ってしまうって、なんか勿体なくないですか???
3つ目は日本製鉄との連携が求められること。
昨今インドに製鉄所を作ることなどを決めましたが、日本製鉄の製鉄所に絶対的に必要なものであれば、連携力だって自ずと求められます。
日本製鉄の見立てとして、国内より国外に活路を見出そうとしています。いつぞやの損保会社よろしく・・・
であれば、新たに生まれる製鉄所からくる需要と言った部分に大きく関与する黒崎播磨は、狙われるのではないでしょうか。
・・・それとも、さくたろうが想像もつかない、完全子会社化をしては具合が悪い何かがあるのでしょうか・・・
以上が、黒崎播磨をさくたろうが買う理由です。
来年も頑張って情報発信します!
補足で、日鉄物産とあわせて、8075神鋼商事も挙げています。
そちらも自分なりの根拠があるものなので、過去記事とともにチェックしてもらえると嬉しいです。
ちょっとでも参考になった、知っててよかった、買っててよかったとあなたに思ってもらえるように、これからも情報発信したいと思います!
今回はまぐれかもしれないど、2023年の中にもチャンスは必ずあるはず。
今年もブログを楽しんでいただいて、本当にありがとうございました。
来年もできると信じて続けます、良いお年を!!!