こんにちは。さくたろうです。
昨日は会社の歓送迎会でした。まだ仙台も本格的な寒さは到来していませんので、みんな遊びに来てください!
さて決算シーズンも峠を越えました。会社の内容によって明暗分かれる傾向があるように思います。
またどの会社も基本的には(当たり前ですけど)株主の方を向いていて、儲かったお金は配当や自社株買いに流れているように思えます。
どちらも基本的には嬉しいものです。でもどういった会社が配当を増やす方を選び、どういった会社が自社株買いを選ぶのでしょうか。
もちろん完璧に予測することなどできませんけれども、今回はこの点について考えたいと思います。
増配を選ぶ業界
今回はさくたろうの好きな日本製鉄(鉄鋼)まわりの会社は、増配を発表する会社が多くありました。
利益体質になれていた鉄鋼の会社では、やはり利益予想の30%程度を目処として、増配をした会社がありました。
子会社なども含めて、鉄鋼ではあまり自社株買いを発表する会社はありません。20年以上やっていますけれど。
なぜでしょうか・・・。
さくたろうの考えですが、こういった業種は、「厚い資本」が必要だからだと思います。
例えば日本製鉄の設備投資額は、年に4500億。年に4500億もかけて、将来の利益の為に、設備に投資をかけていかないといけないんです。
イメージですけど、製鉄所の規模感とか、すごそうですよね・・・。
そして鉄鋼の需要は、人智を超えたところ、予測のできない世界の動きで決まると言っても過言ではなく、その動きによって、世界のどこかに新しい製鉄所が必要になったり、またはその逆で閉鎖するところも出てきたりします。
その都度とんでもない投資が必要になるのは想像に難しくない。そのためには資本を厚くして、いつでも設備投資に舵を切れる財務にしておかないといけないと言うことだと思います。
こういった業界では、増配をえらびやすいのだと思います。
増配なら毎年の利益結果に応じて増減がしやすいです。そしてこういった業種でもし自社株買いをしてしまうと、(株を含む)自己資本が減ってしまい、設備投資が必要な際にあるといいはずの資本が恒久的に減ってしまいます。
基本的に自社株買いは株(資本)を減らして一株あたりの価値を高めようとする行為になりますから、俗に言うメーカーに当たるような企業群には向いていないのかもしれません。
日本製鉄は4兆円近くの自己資本を準備しています。これを減らすことは考えていないし、これからもないでしょう。
必要な子会社をTOBするかもしれません。その際にも資本は必要です。
自社株買いをする業界
よく、トヨタやNTTなどが自社株買いをしています。
しかしさくたろうは、これはあくまでそういった姿勢をアピールしているだけに過ぎないように思います。
なぜなら規模が大きい企業であるから自社株買いをする金額も多いですが、発行済みの株の1%にも満たない規模であることもあります。
しかし目的である「株主のことも考えている姿勢」を見せるアナウンスとしては十分に役割を果たしているように思えます。
ではこういった大企業を除くとどのような業界が本気で自社株買いをやってきているのでしょうか。
それは
「専門商社・独自色のある会社」と言うふうにさくたろうは考えます。例えば
・3132 マクニカHD
・7433 伯東
・8098 稲畑産業
など。順を追ってみていきます。
まずマクニカH D。
「独立系の」「半導体商社」。今年から今年から総還元性向(配当+自社株買い)50%。
次に伯東。
「独立系」「半導体商社」。総還元性向なんと100%。儲けた利益は配当と自社株買いに全て使うとのアナウンス。
最後に稲畑産業。
「住友系だがオーナー色」。「化学専門商社」。総還元性向50%+特別利益は積極的に還元。
これらが本意の自社株買いを見せている会社にさくたろうには見えます。
まず、なぜ独立系やオーナー色の強い会社が自社株買いをするのでしょうか。
それは2つ大きな理由があります。
まず一つ目。
自社株買いをすれば株価が上がって、オーナーや大株主の資産価値が大幅に上がるからです。
自分がオーナーだったら、やりたいですよね・・・その影響をもろに享受するのが、他でもない自分自身なのですから。
二つ目。
強い系列や親会社がいると、株が減ることで資本構成が変わってしまい、環境が変わる可能性があるから。
株を減らす自社株買いは、既存の株主の%を上げることにつながります。子会社に当たる会社が自社株買いをすることで、親会社の構成する%が上がり、関係性が強くなることがあります(買った自社株を消却した場合)。
子会社がなぜ子会社であるかというと、親会社から見て、その会社を子会社にしている理由が、「親会社のリスク回避目的」といった場合があります。
子会社化しておけば、その子会社が爆発した際、受けるダメージは限定されると言うことです。部門を独立させてできた子会社の目的はこれであることが多いです(他の理由もたくさんありますが)。
要は、爆弾が爆発した際に、(親会社の)もろに体の中で爆発するのか、体から少し離れたところで爆発するのか、ってことですね。
せっかく子会社化して適切な距離を設定してリスクを限定していた親会社が、子会社のやる自社株買いによって距離が近くなる可能性があると言うことです。
それであれば子会社からの配当利益には税金がかからないわけですから、親としては普通に増配をさせたいという考えになると思います。
独立系であれば、このような親の存在はなく、自社株買いによって目算が変わってしまう存在がいないので、行動を取りやすいと思います。
(親会社は子会社に自社株買いをさせるのではなく、本当に子会社が必要になった際は自分でTOBをしてきます。)
次に、専門商社が自社株買いに舵を切ることが多い理由。
それは日本製鉄と正反対の理由。設備投資等が読みやすいと言ったことです。
もちろん、どの企業でも将来への投資である設備投資は必須です。
しかし、専門的な商社と言うのは、おそらく将来の設備等も予測しやすいんだと思います。
そのフィールドで、そのフィールド内の商品を流通させる。
そこには巨大商社やメーカーのような、複雑系がもたらすリスクと向き合うリスクが限定されていて、計算がしやすいので効率的な資本を探ることができる。自社株買いもしやすい。
他にも巨大な設備が不要な、例えば金融・証券などもしやすいのだと思います。しかし流動性危機などに資本の準備は必要なので、やはり専門商社ほどではないでしょう。先程の伯東に至っては、100%を還元するとしています。いくら設備投資が小さい金融などでも、これはなかなかできないことだと思います。
配当100人力
ここからは個人の感想ですが、さくたろうは、配当がやはり王道だと思います。しかも、利益の30%程度の配当です。
もちろん自社株買いを予測して株を買うのも楽しいので、そう言ったこともします。楽しいです。
しかし、長い目でみた時に、やはり自社株買いには流行性が見え隠れしますが、配当はどの時代にも行われています。
そして自社株買いが流行を極めた後に、大恐慌が起こった歴史も存在します。
まださくたろうにはわかりませんが、資産を形成した後に、投資家が望むのは配当でしょうか、自社株買いでしょうか。
あるいはそのどちらもでしょうか。