親ガチャ・子ガチャ

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さくたろうの考え

こんにちは。さくたろうです。
今年、友人や知人との会話の中で、(なんとか)ガチャ、といった言葉を良く耳にしました。
意味としては、想像の通り、ガチャポンのことで、何が当たるか運任せでわからないもの、のようです。

「親ガチャに当たった」といえば、どのような親のもとに子供が生まれてくるかわからない中、子供からしたら良い親のもとに生まれたということになります。
一方で「子ガチャ」といった言葉も使われたそうです。親がどれだけ優秀であっても、生まれてくる子供は選べない、といったことが、様々な事件とともに注目された、ということだと思います。

確かに運任せな物事はこの世の中に多いですね。本当は生まれただけで、儲けものなはずなんだと思いますけれど。
そして親子と呼ばれるのは、何も人間だけではありません。会社にも親子関係は存在しています。

優秀な子が多くいる日本市場

親子会社の例を挙げると、本当にきりがありません。
NTTの子会社NTTデータ、三菱商事の子会社ローソン、ソニーの子会社エムスリー、キーエンスの子会社ジャストシステム・・
最近の話題から言うと、商船三井の子会社ダイビルなどもそうです。

子会社という名前が似つかわしくないほどに規模や知名度が大きい会社も多く、そして優秀な企業もたくさんあるように思えます。
そして優秀であればあるほど、また特技やセールスポイントがあればあるほど、親の目を引く状態となっています。

完全子会社・連結子会社・持分法適用会社

「この子には少しも触れさせない!」「この子のことは私が絶対決める!」「子が道を間違わないようにしたい」
親に色々な考えや都合があるように、会社(会社法上)にもいろいろなスタイルがあります。

完全子会社というのは、子会社の議決権(議決権とは株のシェアに近い定義)の100%を親会社が持っているもので、他の人が株を購入したりもできません。
今年、NTTがNTTドコモを4兆円かけて完全子会社化しました。ドコモに対してNTT以外は誰ももう口出しはできないし、会計上もNTTの中に全て含まれる状態となりました。
「もうこの子には他の誰にも触れさせない!!!」というものすごい状態ですね・・・

連結子会社というのは、主に親会社が議決権の50%以上を持っている状態です。いろいろな株主がいる中で、50%の議決権を持っている状態というのはとても強烈で、親会社は子会社の意思決定権をもち、すべてを決めていくことができる状態です。
少し話はそれますが会社の買収の動きでは、この連結子会社化(50%以上の株式の取得等)がゴールとなっている買収も多くあります。
そしてローソンやNTTデータなどが現在連結子会社である、この状態です。(親会社はそれぞれ三菱商事・NTT)
「この子のことは私が絶対決める!」状態ですね。

持分法適用会社は、議決権の20%以上(50%未満)を持っている状態です。
実際の会社の例では、ソニーの子会社エムスリー(33.9%)や、キーエンスの子会社ジャストシステム(43.9%)です。
この状態は、親会社は子会社に対して重要な影響を与えます。中々親に逆らって何かを進めていくことは難しいです。
どれだけ影響を持つかはその議決権の%によりますが、やはり親を無視して生きていく、ということには到底成り得ません。
「大事なところで道を間違わないようにしたい」といった親の干渉に似ていますでしょうか・・・


また親はその持ち分比率に応じて自分の成績(財務諸表・損益)にも反映されるので、今まで出てきたどの例でも、常に子は親に影響を与えている、とも言えるでしょう。親は親で苦労もしているという事かもしれません。

親が子から距離を置くメリットとデメリット

最近の親子会社の傾向としては、持分法適用会社→連結子会社へ。また連結子会社→完全子会社へといった流れが多いです。
親会社は、子会社を取り込もうとする流れですね。
ではなぜ今まで子会社としてきたのでしょうか?それはおそらく子会社としておくことのメリットがあったからで、それが時代とともにメリット・デメリットの比重の変化が出てきたからだと思います。子会社とすることで考えられるメリットは・・・

・事業責任が明確になる(各子会社ごとの成績が明確になる)
・事業ごとのリスク分散(子会社の損失をすべて親会社がかぶることがなくなる)
・決裁ルートの短縮化(TOPまでの決裁ルートが短くなる)

といったことがあったと思います。一番大きなメリットはやはり、その事業(子会社)が重大な損失等を及ぼす影響が、距離を置けば置くほど限られてくるという事実だと思います。

しかしデメリットとして、

・管理にかかるコスト増加(1社分から2社分に増える)
・情報共有が難しくなる(親に都合悪い情報を、怒られるからと子供が隠していることも)
・一貫した方針やプロセスがとりづらい(経営者が増えるので)

といったこともあります。
こう書いて見てみると、子会社化しているデメリットは、この時代では、かなり大きな問題をはらんでいるとも言えます。
まずコスト増加は企業にとっては大切な問題ですし、コンプライアンス上、子会社が情報隠蔽をしている、などのリスクは会社に重大な悪影響を与えることにもなります。
直近のニュースでは、旅行会社のHISの子会社が、GOTOの不正受給を組織的規模でおこなっていたとのことですが、親(HIS)がもしこの事実を知らなかったとしたら「何てことをやらかしてたんだうちの子は!!!」となっているでしょう。影響がある、といったレベルではおさまりません・・・

お金かかるから、もう一緒に住もうよ

昨今の流れは、自立して実家から出ていった子供を、帰っておいでと親が呼び戻す姿と少し重なって見える気がします。
連結子会社→完全子会社化したり、持分法適用→連結子会社化したりと距離を縮めていく親会社のトレンドは、非常に経済的な行動だと思います。
おそらくこの行動に出る過程では「この子は問題を起こして大きな打撃を与えてくるような子ではない。」という大前提を確認したからとは思いますが、二重となっている生活費をもったいないと思い、そして近くでより多く干渉の機会を持ちたいと考えた結果なのだと思います。
非常に経済的であって、経済的を求める市場ではそれが正解ですし大賛成です。
色々な子会社に注目して、投資することも一つの方法だと感じました。

・・・もっとも子供の立場からすれば、親と一緒の住まいは居心地が良いとは言えないかもしれませんね笑
悪いことは見つかりやすいし、自分のことは自分で決めたいはずです。

自立することはお金がかかる。人と会社で色々な違いはあれど、世知辛いこの世の中、これだけは事実のような気がします。

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